唐突にSS投げていいか?いいよライブ鑑賞で、この手持ちの衣装組み合わせて勝手にパロディにして楽しんでた時に思いついたネタ。思いついた経緯がアレだし雰囲気と勢いだけで書いたけど個人的にはたのし〜となった流石にXに流すのは忍びないのでここに残す⚠️以下注意書きです。これ大丈夫なら閉じてる本文読んでください。・カルナイ4人とは無関係です。四人が演じてる劇中劇だと思って読んでください・ファウストとも無関係です・チェンソーマンとも無関係です・作中に女性が出てきますが春歌ではないです・暗めです・設定盛るだけ盛っておいて唐突に終わります・続きはない!続き「……おれの、帰る場所はどこだ?」道ゆく人はみな笑っている。家族と、恋人と、友人と。宗教観は違えどもこの日ばかりはみな聖なる夜をお祭り気分で謳歌している。そんな賑わいを横切り、おれは"聞き覚えのある声"に導かれた。こっちだよ。君がいるべき場所はそこじゃ無い。……もしや記憶を失い、寄る辺なく街を彷徨っているのかい?あははっ、なんて可哀想な奴なんだ!でも大丈夫。良い子の君には望むもの与えてあげるよ。なんたって今夜は素敵な夜なのだから。自分が何者なのか思い出せない。この声を辿れば、ごくわずかでも自分の記憶を取り戻せるんじゃないか?……こんなの甘い考えだ。いかにも怪しい物言いを信じて何になる?そう頭では思っていても行動は変えられなかった。その鬱陶しいご機嫌な声が耳にこびり付いた。おまえは誰だ?おれの何を知って話してるんだ──。しんしんと粉雪が積もる。足音も段々と雪に吸い込まれていく。身も心も凍え、おれが本当に一人きりで孤独なのだと思い知らされる。そして辿り着いた。目の前には、黒く古びた館が薄ら雪を被りながら存在感を保っていた。重い扉を開け館の中に入る。そこにはどこまでも広がる闇しかなかった。「昔の君はもっと笑っていただろう?」声が語りかけた途端、扉が閉まる音がした。その音を合図に天窓からふっと月の光が射す。人の影が見えた。おれに向かってゆっくりと歩き出すそいつは、ニヤリと怪しい微笑みを返す。間違いない。声の主はこいつだ。男は指揮者のように右手で弧を描く。スポットライトのように月光がエントランスの闇を照らすと、蒼い髪の人間が姿を表した。……いや、人間ではなかった。男の右手に合わせ、ギシギシと音を立てながら身体を動かす様は同じ人間とかけ離れていた。蒼髪の、人形だろうか……。彼は瞬きもせずおれを見つめ、まるでドレスを着た女性のようにスカートの端を摘み、お辞儀をする。目が離せなかった。……スカートを摘む手の、小指を立てる様子は何故か覚えがあったのだ。途端、首筋に冷や汗が垂れるのに気づいた。焦っている?何故だ?おれの記憶に関わるという直感があったが、思い出したくないことまで呼び起こしてしまった気がした。……おれは、人形が演じた女を知っている。けれどこれ以上知ってはいけない。知って後悔をするのはお前だ。彼女をこんな目に遭わせたのはお前じゃないか。こんな目にって、どんな……。男が今度は左手で優雅に虚空をなぞる。もう一体、金髪の人形が姿を表した。関節が軋む音を鳴らしながら、彼は左手で持っていた杖で地面を軽く鳴らす。右手で顎をさすりながら大股になり、偉そうな様子でこちらを見遣った。また杖の音が鳴る。動悸も早まる気がした。この音は不快だ。まるで糾弾されているように錯覚してしまう。例え濡れ衣を着せられていても、情状酌量の余地もなくお前が悪い、お前のせいだと一方的に責められる。その身勝手で独善的な判決は誰も覆せない。トン、トン、と一定間隔で音が鳴る。何故おれはこの音を覚えているんだ?責められていたのは誰だ?──しらばっくれるなよ。勇気を振り絞って彼女の元へ駆けつけたなら、運命は変わっただろうに……。……違う、違うんだ。⬛︎⬛︎は悪くない。おれが悪いんだ。おれのせいだ。ごめんなさい。彼女をゆるしてください。責めるならおれを、罰を受けるならおれだけを──。機械人形は演じる。昔の記憶を。憧れの人を。辛い現実を。観客ただ一人を椅子に縛りつけ、物語のプロローグからカーテンコールまでをおれの眼に焼き付けるつもりでいるのだ。息切れが酷くなる。左胸を押さえつけてもどうしようもない。見たくもないのに、おれはこの悲劇を受け入れなければならない。そんな予感があった。「ぼくも手伝うよ、君の記憶探しを」男が目の前に立っていたことに気がつかなかった。華やかな緑と白を基調とした服。ファンタジー世界から飛び出したようで現実感を持たない風貌の男は、屈託のない笑顔と赤い眼をこちらに向けている。「お前は……誰だ」「あははっ!そういえば自己紹介がまだだったよねえ」そうして、男はわざとらしく喉を鳴らし仰々しく挨拶をする。「ぼくはクリスマスの悪魔だよ。かつて叶わない夢を語った愚かな良い子の君へ、非情な現実と悪夢を届けにきたのさ」赤色が更にぎらりと光る。幸せを、掴みたかっただけだ。けれどこれは掴むことすら放棄したおれへの報いなのだ。この館からも、この男からも逃げられない運命なのだと、ようやくおれは悟った。畳む 2026.2.25(Wed) 00:48:01 小説・SS edit
ライブ鑑賞で、この手持ちの衣装組み合わせて勝手にパロディにして楽しんでた時に思いついたネタ。
思いついた経緯がアレだし雰囲気と勢いだけで書いたけど個人的にはたのし〜となった
流石にXに流すのは忍びないのでここに残す
⚠️以下注意書きです。
これ大丈夫なら閉じてる本文読んでください。
・カルナイ4人とは無関係です。四人が演じてる劇中劇だと思って読んでください
・ファウストとも無関係です
・チェンソーマンとも無関係です
・作中に女性が出てきますが春歌ではないです
・暗めです
・設定盛るだけ盛っておいて唐突に終わります
・続きはない!
「……おれの、帰る場所はどこだ?」
道ゆく人はみな笑っている。家族と、恋人と、友人と。宗教観は違えどもこの日ばかりはみな聖なる夜をお祭り気分で謳歌している。そんな賑わいを横切り、おれは"聞き覚えのある声"に導かれた。
こっちだよ。
君がいるべき場所はそこじゃ無い。
……もしや記憶を失い、寄る辺なく街を彷徨っているのかい?あははっ、なんて可哀想な奴なんだ!
でも大丈夫。良い子の君には望むもの与えてあげるよ。なんたって今夜は素敵な夜なのだから。
自分が何者なのか思い出せない。この声を辿れば、ごくわずかでも自分の記憶を取り戻せるんじゃないか?
……こんなの甘い考えだ。
いかにも怪しい物言いを信じて何になる?
そう頭では思っていても行動は変えられなかった。その鬱陶しいご機嫌な声が耳にこびり付いた。おまえは誰だ?おれの何を知って話してるんだ──。
しんしんと粉雪が積もる。
足音も段々と雪に吸い込まれていく。
身も心も凍え、おれが本当に一人きりで孤独なのだと思い知らされる。
そして辿り着いた。目の前には、黒く古びた館が薄ら雪を被りながら存在感を保っていた。
重い扉を開け館の中に入る。
そこにはどこまでも広がる闇しかなかった。
「昔の君はもっと笑っていただろう?」
声が語りかけた途端、扉が閉まる音がした。その音を合図に天窓からふっと月の光が射す。
人の影が見えた。
おれに向かってゆっくりと歩き出すそいつは、ニヤリと怪しい微笑みを返す。
間違いない。声の主はこいつだ。
男は指揮者のように右手で弧を描く。
スポットライトのように月光がエントランスの闇を照らすと、蒼い髪の人間が姿を表した。
……いや、人間ではなかった。
男の右手に合わせ、ギシギシと音を立てながら身体を動かす様は同じ人間とかけ離れていた。
蒼髪の、人形だろうか……。彼は瞬きもせずおれを見つめ、まるでドレスを着た女性のようにスカートの端を摘み、お辞儀をする。
目が離せなかった。
……スカートを摘む手の、小指を立てる様子は何故か覚えがあったのだ。
途端、首筋に冷や汗が垂れるのに気づいた。
焦っている?何故だ?
おれの記憶に関わるという直感があったが、思い出したくないことまで呼び起こしてしまった気がした。
……おれは、人形が演じた女を知っている。
けれどこれ以上知ってはいけない。
知って後悔をするのはお前だ。
彼女をこんな目に遭わせたのはお前じゃないか。
こんな目にって、どんな……。
男が今度は左手で優雅に虚空をなぞる。
もう一体、金髪の人形が姿を表した。
関節が軋む音を鳴らしながら、彼は左手で持っていた杖で地面を軽く鳴らす。右手で顎をさすりながら大股になり、偉そうな様子でこちらを見遣った。
また杖の音が鳴る。
動悸も早まる気がした。
この音は不快だ。まるで糾弾されているように錯覚してしまう。例え濡れ衣を着せられていても、情状酌量の余地もなくお前が悪い、お前のせいだと一方的に責められる。その身勝手で独善的な判決は誰も覆せない。
トン、トン、と一定間隔で音が鳴る。
何故おれはこの音を覚えているんだ?
責められていたのは誰だ?
──しらばっくれるなよ。勇気を振り絞って彼女の元へ駆けつけたなら、運命は変わっただろうに……。
……違う、違うんだ。⬛︎⬛︎は悪くない。おれが悪いんだ。おれのせいだ。ごめんなさい。彼女をゆるしてください。責めるならおれを、罰を受けるならおれだけを──。
機械人形は演じる。
昔の記憶を。憧れの人を。辛い現実を。
観客ただ一人を椅子に縛りつけ、物語のプロローグからカーテンコールまでをおれの眼に焼き付けるつもりでいるのだ。
息切れが酷くなる。
左胸を押さえつけてもどうしようもない。
見たくもないのに、おれはこの悲劇を受け入れなければならない。そんな予感があった。
「ぼくも手伝うよ、君の記憶探しを」
男が目の前に立っていたことに気がつかなかった。
華やかな緑と白を基調とした服。
ファンタジー世界から飛び出したようで現実感を持たない風貌の男は、屈託のない笑顔と赤い眼をこちらに向けている。
「お前は……誰だ」
「あははっ!そういえば自己紹介がまだだったよねえ」
そうして、男はわざとらしく喉を鳴らし仰々しく挨拶をする。
「ぼくはクリスマスの悪魔だよ。かつて叶わない夢を語った愚かな良い子の君へ、非情な現実と悪夢を届けにきたのさ」
赤色が更にぎらりと光る。
幸せを、掴みたかっただけだ。
けれどこれは掴むことすら放棄したおれへの報いなのだ。
この館からも、この男からも逃げられない運命なのだと、ようやくおれは悟った。
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